医師が安心して働ける未来のために。領域を超え、ウェルビーイングを基盤とした働き方・リーダーシップを学び、考え、実践する学会が誕生しました! 理事:山内かづ代
- 山本 明美
- 3月16日
- 読了時間: 2分
なぜ今、このような新しい学会が求められるのでしょうか?
整形外科医として国内外で臨床・研究の研鑽を積んでいた頃、留学先の指導者から、こんな言葉をかけられました。
“Kazuyo, キャリアのスタート時点だけでなく、ステージが上がるごとに、それに合った支援が必要よ!”
当時は、その意味を十分に理解しきれていませんでした。しかし、医師12年目以降、医学教育専任へのキャリア転換を機に医学生や研修医の成長を支える立場になったこと、さらにはライフイベントの変化を経験したことで、その必要性を改めて強く実感するようになりました。
キャリアの初期には基本的な技術や知識の習得・研鑽が求められますが、次第に専門性を深める過程では、指導者や環境、そして人的ネットワークの重要性が増していきます。さらに、組織やチームを牽引する立場になると、単なる技術や知識以上に、人との関わりやリーダーシップのあり方が、自らのキャリアや組織の発展に大きな影響を与えることを実感しました。
しかし、現在の日本では、こうしたキャリアの段階に応じた支援がまだ十分に整備されているとはいえず、多くの医師、特にロールモデルのバリエーションが限られている女性医師にとっては、試行錯誤しながらキャリアを築いていくことが現状となっています。
こうした経験を重ねる中で、私は「専門領域を超えた横のつながりがもっとあれば、より多くの医師が支え合い、成長できるのではないか」と考えるようになりました。そして今回、多様な専門性を持ちながら同じ方向を向く仲間とともに、この学会のスタートに関われることに、喜びと期待を感じています。
11月に開催予定の本学会初のオンライン学術集会では、ウェルビーイングを基盤とした働き方・リーダーシップ、キャリア形成について、学会の取り組みを紹介するとともに、エビデンスや経験を共有しながら、対話を重視したディスカッションを行う予定です。医師一人ひとりがより充実したキャリアを築くためのヒントを得られる機会になれば幸いです。多くの方のご参加をお待ちしています。
新たな環境が生まれ、そこに集う人々が互いに刺激を受け合いながら、安心して働ける未来を築いていく——そんな場となることを願っています。
