リーダーシップって、“偉い人”だけの話だと思っていませんか? コアメンバー:鷲尾 真理愛
- 山本 明美
- 3月31日
- 読了時間: 2分

「リーダーシップ」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?
私は長い間、「リーダーシップ=偉い人がうまれつき持っている特別な資質」だと思っていて自分には無縁のものだと感じていました。でも本当は、リーダーシップとは「他者に影響を及ぼすビジョン、人柄、実行力、生き様」のこと。偉くなりたいかどうかなんて関係ありません。たとえば、会議や現場で「この場はあの人が雰囲気を作っているな」と感じるときってありませんか?トップでもリーダーでもないけれど、その人がいると安心感がある、言葉が自然と出てくる、あの感じこそが、リーダーシップなのだと思います。
ある時期、目の前の仕事に追われ、自分を顧みる余裕すらなくなっていました。気づけば、バーンアウト寸前。私が「リーダーシップ教育」に出会ったのはそんなタイミングで、周囲との関係の中でどんな自分でありたいかを見つめ直し、自分の価値観を掘り起こす貴重なきっかけになりました。“Educate yourself who you are.” という言葉は今でも心に残っています。
この学会では“DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)”の推進というテーマも掲げられています。
正直なところ、私はこれまでDEIに積極的に関わってきたわけではありません。外科医として、多くの男性医師に支えられ、不自由なく仕事に打ち込める環境に恵まれてきました。性別を意識することもなく、自然体でやってこられたという実感があります。
ですが今回、他学会の取り組みを知り、改めて自分の所属する消化器外科学会の先進性に気づきました。そして、私が“自由に外科に没頭できた”背景には、慎重かつ戦略的に道を切り拓いてくださった女性リーダーの先輩方の存在があったのだと実感しました。今さらながら深い感謝を覚えています。
いま、医療をとりまく環境は大きな変換期を迎えています。次の世代がもっと自然に、もっと自分らしく医療の世界で輝けるように、私も少しずつ、自分の役割を果たしていきたいと思っています。
リーダーシップもwell-beingもDEIも、特別な誰かのものではなく、今を生きる私たち一人ひとりに関わる、身近なテーマです。「関係ない」と思っていたその先に、実は、自分らしく働くヒントや、誰かの未来につながる行動が待っているかもしれません。私もまだ学び始めたばかりですが、そんな気づきを、これからも皆さんと一緒に育んでいけたら嬉しいです。